メールを送信したのに、「届いていません」と相手から言われて困った経験はありませんか。

メールが届かない原因は、手元の単純な入力ミスから、近年急速に厳格化している「企業のセキュリティ設定(SPF・DKIM・DMARCなど)」まで多岐にわたります。
まずは落ち着いて、原因が「自社」にあるのか「相手」にあるのかを正しく切り分けることが解決への近道です。

本記事では、自分が送ったメールが相手に届かないと言われたときに、まず確認すべき基本事項から、システムの専門的な設定まで、ステップ順に対処法を解説します。

メールが届かない原因を切り分けるフローチャート
メールが届かない原因を切り分けるフローチャート。上から順に確認していくことで原因を特定できます。

自分の「送信済みフォルダ」を確認する

まず確認したいのは、そのメールが本当に送信できているかどうかです。

意外と多いのが、メールが下書きのまま保存されていたり、送信時にエラーが発生して送信できていなかったりするケースです。特に、インターネット接続が不安定な環境で送信した場合や、大きな添付ファイルを付けている場合は、正常に送信できていないことがあります。

まずはメールソフトの「送信済み」フォルダを開き、送信したメールが保存されているか確認しましょう。送信済みフォルダに見当たらない場合は、「下書き」や「送信トレイ」に残っていないかも確認してみてください。

メールが送信済みフォルダにあり、送信日時も問題なければ、次は送信後にエラーが返ってきていないかを確認します。

エラーメール(バウンスメール)を確認する

送信済みフォルダにメールがある場合は、次にエラーメール(バウンスメール)が届いていないか確認しましょう。

バウンスメールとは、「送信したメールを相手に届けられませんでした」という自動通知です。送信から数分〜数時間以内に、Mailer DaemonMail Delivery Subsystemなどの差出人名で、英語のメールが届くことがよくあります。

初めて受け取るとびっくりしてしまうかもしれませんが、何も怖くありません。本文にはメールが届かなかった理由が記載されています。
代表的なメッセージと意味は次のとおりです。

内容がわかるようになると、バウンスメールはエラーの原因を教えてくれるとても便利な機能です。まずはエラーメッセージを確認し、内容に応じて宛先や添付ファイル、メールの内容などを見直してみましょう。

宛先メールアドレスをもう一度確認する

送信済みフォルダにもメールがあり、エラーメール(バウンスメール)も届いていない。それにもかかわらず、相手先にメールが届いていない場合は、宛先のメールアドレスをもう一度よく確認してみましょう。

メールアドレスは、ほんの1文字違うだけで別のメールアドレスになってしまいます。例えば、gmail.com を gmal.com と入力してしまうようなスペルミスや、コピー&ペースト時に余分なスペースが入ってしまうケース、全角の「@」や英数字が混ざってしまうケースもあります。

特に注意したいのは、エラーメールが返ってこないからといって、相手に届いているとは限らないという点です。
入力したメールアドレスが実在する別のメールアドレスだった場合、送信自体は正常に完了するため、エラーメールは返ってきません。その結果、本来送りたかった相手ではなく、別の人にメールが届いてしまう可能性もあります。

過去にやり取りしたメールの返信機能を利用したり、宛先に入力ミスがないかもう一度確認したりして、メールアドレスに誤りがないかを確認してみましょう。

原因が自分側か、相手側かを切り分ける

ここまで確認しても原因が分からない場合は、原因が自分側にあるのか、相手側にあるのかを切り分けることが大切です。

まずは、自分が持っている別のメールアドレス(個人の Gmail など)宛に、同じ内容のメールを送信してみましょう。

問題なく受信できれば、自分のメールサーバーや送信環境は正常に動作している可能性が高く、原因は相手側の受信環境にあると考えられます。
例えば、相手の迷惑メールフォルダに振り分けられている、メールボックスの容量が不足している、意図せず受信拒否設定がされているといったケースが考えられます。

一方、自分の別のメールアドレスにも届かない場合は、自分側の送信環境やメールサーバーに問題がある可能性があります。メールサーバーの障害や設定不備なども考えられるため、サーバーの管理会社やメールサービスの障害情報を確認してみるとよいでしょう。

このように一度別のメールアドレスで試してみることで、原因の範囲を大きく絞り込むことができます。

相手にも受信状況を確認してもらう

自分側で送信できていることが確認できたら、次は相手にも受信状況を確認してもらいましょう。

電話やチャットなど別の連絡手段で、「迷惑メールフォルダに入っていないか確認していただけますか」「受信拒否設定に登録されていないか確認をお願いします」と伝えてみてください。

受信側で設定されている迷惑メールフィルターや受信ルール、ドメイン指定受信などは、送信側から確認することができないので、相手にお願いして確認してもらいましょう。

特に、docomo・au・SoftBank などの携帯キャリアメール宛に送信する場合は、ドメイン指定受信の設定によって、パソコンから送信したメールが受信拒否されていることがあります。この場合は、自社のドメインを受信許可リストに追加してもらうことで解決することがあります。

送信側で問題が見つからない場合は、一人で原因を探し続けるのではなく、相手にも受信状況を確認してもらうことで、スムーズに原因を特定できるでしょう。

件名・本文・添付ファイルを見直す

そもそも、迷惑メールに振り分けられないためにはどうしたらよいでしょうか。

メールサービスや受信サーバーは、迷惑メール対策のために件名や本文、添付ファイルの内容を自動でチェックしています。その結果、正常なメールであっても、内容によっては迷惑メールと判定されることがあります。

例えば、次のような内容は迷惑メール判定の原因になることがあります。

もちろん、これらが含まれているからといって必ず届かなくなるわけではありません。しかし、複数の要素が重なることで迷惑メールとして扱われる可能性が高くなります。

原因の切り分けとしては、添付ファイルを外し、URLを必要最小限にしたシンプルな本文で送り直してみるのがおすすめです。それで届くようであれば、メールの内容が影響していた可能性が考えられます。

SPF・DKIM・DMARCを確認する

ここまで紹介した内容を確認しても原因が分からない場合は、SPF・DKIM・DMARC の設定を確認しましょう。

SPF・DKIM・DMARCは、送信者になりすましたメールを防ぎ、正規のメールを確実に届けるための「送信ドメイン認証技術」です。メールを受信するサーバーは、これらの認証結果を参考にして、メールを受信するか、迷惑メールとして扱うかを判断しています。

そのため、これらの認証が適切に設定されていないと、正当なメールであっても迷惑メールと判定されたり、受信を拒否されたりする可能性があります。

近年はメールのセキュリティ対策が強化されており、2024年以降はGmailやYahooなどの主要なメールサービスで、一定量以上のメールを送信する送信者に対して送信ドメイン認証が求められるようになりました。
特に、メールマガジンや案内メールなどを一括送信する場合は、SPFとDKIMの両方を設定することが重要です。

日常的なメールの送受信で問題が起きていない場合でも、これらの設定を済ませておくことで、メールが届きやすくなるだけでなく、第三者によるなりすましメールの防止にもつながります。

なお、SPFが設定されているかどうかを確認する方法については、「SPF設定の確認方法|GmailとMXToolboxで簡単チェック」で詳しくご紹介しています。

まとめ

メールが届かない原因は、送信ミスや宛先の入力間違い、迷惑メール判定、受信側の設定などさまざまです。しかし、多くの場合は次の順番で確認することで、原因を切り分けることができます。

特に近年は、メールのセキュリティ対策が強化されており、送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定がメールの到達率に大きく影響するようになっています。

「何を確認しても原因が分からない」「SPFやDKIMの設定方法が分からない」「メールが届かないトラブルを根本から解決したい」という場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。

株式会社パパグラムでは、メール送信に関するトラブル調査や、SPF・DKIM・DMARCの設定支援、メールサーバーの設定確認なども承っています。
メールが届かない問題でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください