この記事の要約
Webシステムのバックアップとは、「ソースコード」「設定ファイル」「データ」を復元できる状態で保存しておくことです。操作ミスや外部からの攻撃、機器の故障でデータを失うリスクは完全になくせません。バックアップの自動化・別の場所への保存・復元テストと手順書の用意が、失敗しないための3つのポイントです。
Webシステムは、企業活動を支える重要な基盤のひとつです。
日々の受注データ、会員情報、顧客とのやり取りなど、Webシステム内のデータは企業にとって貴重な財産です。
しかし、こうしたデータは「システムが正常に動いているから大丈夫」と思っていても、突然失われる可能性があります。
操作ミスによる削除、システム障害、サーバーのトラブル、サイバー攻撃など、データ消失の原因はさまざまです。
そして、万が一データが失われたとき、適切なバックアップがなければ、復旧に何週間もかかったり、データを復元できなくなったりすることがあります。
本記事では、Webシステムにおけるバックアップの重要性と、失敗しないバックアップのために押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。
1.バックアップとは何か
バックアップとは、一言でいえば、大切なデータのコピーを、別の安全な場所に保管しておくことです。
万が一、元のデータが壊れたり消えたりしても、そのコピーを使って元の状態に戻せる(復旧できる)ようにするために行います。
Webシステムでは、何をバックアップするのか
では、私たちが普段ビジネスで使っている「Webシステム」のバックアップとは、具体的に何を指すのでしょうか?
Webシステムの構成要素は、大きく分けると次の3つの要素で成り立っており、バックアップの際もこれらすべてを保管する必要があります。
①ソースコード
画面のデザインやシステムの動きを作るテキストデータです。
②設定ファイル
サーバーの接続環境やシステムの動作条件を記録したファイルです。
③データ
データベースに保存される顧客情報や履歴、ユーザーが投稿したファイルなど、日々更新される資産です。
Webシステムのバックアップとは、「ソースコード」「設定ファイル」「データ」を復元できる状態で保存しておくことを意味します。
どれか一つでも欠けてしまうと、システムは正常に動きません。だからこそ、ただ「保存する」だけでなく、正しい方法で定期的にバックアップを取り続ける必要があるのです。
2.もしも、バックアップをしていなかったら
「システムが壊れる事なんてめったに無いから大丈夫」と、バックアップを後回しにしてしまうケースは少なくありません。
しかし、データやファイルが失われる原因は、システムが壊れることだけではありません。日常的な操作ミスや外部からの攻撃、予測できない災害まで、さまざまなリスクがあります。
ここでは、Webシステムで起こり得る代表的なリスクをご紹介します。
人為的ミスによるデータの削除・破損
もっとも身近なリスクのひとつが、人による操作ミスです。
「誤って必要なデータを削除してしまった」「更新作業中にプログラムやファイルを削除してしまった」など、どれだけ慎重に作業をしていても、人が操作する以上、ミスを完全になくすことはできません。
外部からの攻撃によるデータの損失
Webシステムはインターネットを通じて利用するため、常に外部からの攻撃を受ける可能性があります。
例えば、不正アクセスによってデータを削除・改ざんされたり、ランサムウェアなどによってデータを利用できない状態にされたりするケースがあります。
セキュリティ対策を行うことはもちろん重要ですが、攻撃を100%防ぐことは現実的には困難です。
ハードウェアやシステムのトラブル
サーバーやストレージなどのハードウェアは、故障する可能性があります。
また、ハードウェアそのものに問題がなくても、システム障害やソフトウェアの不具合、アップデート時のトラブルなどによって、データが破損したり、システムが利用できなくなったりすることもあります。
さらに、火災や地震、落雷などの自然災害によって、機器そのものが被害を受ける可能性もあります。
これらのリスクは、「いつ、どこの企業に起きてもおかしくない」ものです。バックアップがない状態での運用は、命綱なしで綱渡りをするのと同じくらい危険な状態だと言えます。
3.データが消えた時に発生するビジネスへの実害
万が一バックアップがない状態でデータが消えてしまった場合、単に「システムを作り直せばいい」という話では済みません。
ここでは、データが消失した際に発生する代表的なビジネス上の損害について見ていきましょう。
経済的損失
データやシステムに重大なトラブルが発生した場合、専門のシステム会社に緊急でデータ復旧やシステム再構築を依頼することになり、想定外の費用が突発的に発生します。
緊急対応になるため、高額な費用になることも珍しくありません。
また、ECサイトや予約システムなど、システムが直接売上に関わっている場合は、システムが停止している間に本来得られたはずの売上を失うことにもなります。
システム停止による損失は、復旧にかかる費用だけではありません。「停止している間に失ったビジネスチャンス」も、大きな損失になるのです。
時間・労力の損失
データは、お金を払えば簡単に買い戻せるものばかりではありません。
- 長年かけて蓄積した顧客データ
- 過去の取引や業務の履歴
- Webサイトに掲載していたコンテンツ
こうした企業の重要な資産が元に戻せなくなる可能性があります。
また、情報が残っていたとしても、それらを集め直し、入力し直し、作り直すためには多くの時間と労力が必要です。
社会的信用に傷がつくことも
データ消失やシステム停止は、社内だけの問題で終わらないこともあります。
「注文したデータが消えた」「システムが止まって利用できない」といった事態になれば、ユーザーや取引先からの信用にも影響します。
「データ管理ができていない会社」というイメージがついてしまうと、信用を取り戻すには、システムを復旧する以上に長い時間がかかることもあります。
バックアップは単なる「データを保存するための作業」ではありません。
万が一のトラブルが発生したときに、事業を継続し、顧客や取引先からの信頼を守るための重要な備えと考える必要があります。
4.失敗しないバックアップのポイント
バックアップのやり方が間違っていると、いざという時に「データが古すぎて使えない」「壊れていて復元できない」という事が起きてしまいます。
重要なのは、トラブルが起きた時に、必要なデータやシステムを確実に復旧できる状態に維持しておくことです。
ここでは、失敗しないバックアップのために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
バックアップを自動化する
バックアップを手作業で行うと、「忙しくて忘れてしまった」「担当者が休みだった」といった理由で、定期的な実施が難しくなることがあります。
また、人の手で行う作業には、操作ミスや保存漏れといったリスクもあります。
そのため、バックアップは、決まったタイミングになるとシステムが自動で実行する仕組みにしておくことをおすすめします。
バックアップは別の場所に保存する
Webシステムが動いているサーバーと同じ場所にバックアップを保存してはいけません。サーバー自体が故障したりサイバー攻撃を受けたりした際、バックアップも一緒に巻き添えで消えてしまうからです。
そのため、バックアップはできるだけシステム本体とは別の場所(別のサーバーやクラウドストレージ)に保存することが重要です。
復元テストを行い、復元手順書を用意する
バックアップにおいて、もっとも重要なのは「実際に復元できること」です。
バックアップデータが保存されていても、いざトラブルが発生したときに復元方法がわからなかったり、データが壊れていたりすれば、意味がありません。
誰でも迷わず作業できるよう「復元手順書」をあらかじめ作成しておき、実際にデータが正しく元に戻るか、定期的に「復元テスト」を行っておくことが重要です。
まとめ
Webシステムに保存されているデータは、日々の業務や企業活動を支える大切な資産です。
しかし、操作ミスや外部からの攻撃、機器のトラブル、火災や落雷など、データが失われるリスクを完全になくすことはできません。
だからこそ万が一のトラブルが発生したときに、できるだけ早くシステムやデータを復旧できるようにしておくことが重要です。
今回ご紹介した3つのポイントをおさらいしましょう。
- バックアップを自動化する
- バックアップは別の場所に保存する
- 復元テストを行い、復元手順書を用意する
しかし、日々の業務に追われる中で、これらの仕組みを自社で構築・運用し、定期的にチェックし続けるのは決して簡単ではありません。
株式会社パパグラムでは、バックアップの自動化設定から、定期的な稼働チェック、トラブル時の復旧サポートまで、WEBシステムの安全な保守・運用をトータルでサポートしております。
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