この記事の要約
Webシステムの変更が反映されないときは、まずスーパーリロードを試し、直らなければブラウザのキャッシュを削除します。消えるのはブラウザの一時的なデータで、Webシステムや端末のデータは消えません。それでも直らなければCDNやWebサーバーのキャッシュが原因かもしれず、時間を置くか管理者に相談します。
前回の「Webシステムのキャッシュとは?」では、Webページを快適に表示するためにキャッシュがどのような役割を果たしているのかを解説しました。
キャッシュは、Webサイトをスムーズに表示するために役立つ一方で、「修正した内容が反映されない」といったトラブルの原因になることがあります。
そんなときに行うのが「キャッシュクリア」です。
ただし、キャッシュクリアといっても、いきなりすべてのキャッシュを削除すればよいというわけではありません。
「スーパーリロード」で解決できる場合もありますし、ブラウザのキャッシュを削除しても問題が解消しないケースもあります。
今回は、Webシステムを利用する中で知っておきたいキャッシュクリアの基本と具体的な方法について解説します。
なお、本記事は2026年9月現在のものです。手順や画面表示が変わる場合がありますので、ご承知おきください。
1.まずはスーパーリロード
Webサイトの表示がおかしいとき、キャッシュクリアをする前に、まず試してほしいのがスーパーリロード(強制再読み込み)です。
通常のリロード(更新)では、ブラウザは「手元にあるキャッシュ(保存されたデータ)」を優先して使いながらページを読み直します。そのため、古いデータが表示されたままになることがあります。
一方のスーパーリロードは、ブラウザ内のキャッシュを無視し、強制的に最新のデータを表示させる機能です。
キャッシュそのものを削除するわけではないため、いきなりブラウザのキャッシュをすべて消すよりも、まずはスーパーリロードを試してみるとよいでしょう。
Windows(Google Chrome / Microsoft Edge)
- Chrome:Ctrl + fn + F5 または Ctrl + Shift + R
- Edge:Ctrl + fn + F5 または Ctrl + Shift + R
Mac(Google Chrome / Safari)
- Chrome:Cmd (⌘) + Shift + R
- Safari:Cmd (⌘) + Option(⌥) + R
2.キャッシュクリアのやり方
スーパーリロードを試しても表示が直らない場合は、ブラウザのキャッシュを手動で削除する「キャッシュクリア」を行います。
ここでは、主要なブラウザ(PC・スマートフォン)での具体的な手順を解説します。
Google Chrome(パソコン版)
①Chromeを開き、画面の「︙」(メニュー)をクリック。
②メニューから「閲覧履歴データを削除」を選択。
③設定画面が開くので、期間の「もっと見る」から「全期間」を選択。
④「キャッシュされた画像とファイル」にのみチェックを入れる。
(履歴やクッキーを消したくない場合は、他のチェックを外す)
⑤「データを削除」ボタンをクリック。
Google Chrome(スマートフォン版:iPhone / Android共通)
①Chromeアプリを開き、「…」アイコンをタップ。
②メニューから「履歴」>「閲覧履歴データを削除」の順にタップ。
③期間で「全期間」を選択。
④「閲覧履歴データ」をタップ。
⑤「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる。
⑥画面下部の「データを削除」(または「閲覧履歴データを削除」)をタップ。
Safari(パソコン版 / Mac)
①Safariを開き、メニューバーの「Safari」>「設定」(または「環境設定」)をクリック。
②「詳細」タブを開き、一番下にある「Webデベロッパ用の機能を表示」にチェックを入れる(すでに表示されている場合は不要)。
③メニューバーに新しく表示された「開発」をクリック。
④メニュー内から「キャッシュを空にする」を選択。
Safari(スマートフォン版 / iPhone)
Safariアプリ内ではなく、iPhone本体の「設定」アプリから操作します。
①iPhoneの「設定」アプリを開く。
②画面を下にスクロールし、「アプリ」をタップ。
③アプリの一覧から「Safari」をタップ。
④下にスクロールし、青い文字で書かれた「履歴とウェブサイトデータを消去」をタップ。
⑤消去する期間(「すべての履歴」など)を選択し、「履歴を消去」をタップ。
Microsoft Edge(パソコン版)
①Edgeを開き、「…」アイコン(メニュー)をクリック。
②メニューから「閲覧データを削除」をクリック。
③時間の範囲の「すべての期間」を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる。
④「今すぐクリア」ボタンをクリック。
3.キャッシュ以外の消えるもの・消えないもの
「キャッシュをクリアすると、データが全部消えてしまうのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、キャッシュクリアで削除されるのは、基本的にブラウザが一時的に保存しているデータです。Webシステムそのものに保存されているデータや、パソコン・スマートフォンに保存しているファイルが消えるわけではありません。
何が消えて、何が消えないのかを整理しました。
キャッシュクリアで消えないもの
・データベースに保存されたデータ:SNSの投稿、ECサイトの注文履歴、ブログの記事などはサーバー側のデータベースにあるため消えません。
・サーバーにアップロードしたファイル:クラウド(GoogleドライブやOneDriveなど)に保存したファイルや、Webシステムにアップロード済みの画像などは消えません。
・端末(PCやスマホ)に保存したデータ:パソコンのデスクトップにあるファイルや、スマホの「写真」アプリ内にある画像、ダウンロード済みのPDFなどは消えません。
操作次第で消える(リセットされる)もの
・ログイン状態:「Cookie(クッキー)」を同時に削除してしまうと、すべてのWebサイトから強制的にログアウトされます。もう一度IDとパスワードを入力してログインし直す必要があるため、キャッシュだけを消したい場合はCookieのチェックを外しておきましょう。
・閲覧履歴:「閲覧履歴」や「表示履歴」の項目にチェックを入れて削除を実行すると、これまでどのサイトを見たかという履歴が消去されます。
スマホ版Safariは要注意
iPhoneなどのスマートフォン版Safariは注意が必要です。
スマホ版Safariの「履歴とウェブサイトデータを消去」を実行すると、キャッシュだけでなく、閲覧履歴、Cookie(ログイン状態)、一時的な保存データがすべて強制削除されてしまいます。
スマホ版Safariでクリアを行う際は、事前にID・パスワードの手元への控えがあるか必ず確認してください。
4.ブラウザでは消せないキャッシュ
ここまで、ブラウザに保存されているキャッシュの削除方法を紹介してきました。
しかし、どんなにブラウザのキャッシュを削除しても、古い画面が表示されることがあります。
その理由は、前回のコラムでご紹介した、ブラウザ以外のキャッシュの存在です。
Webサイトでは、ブラウザだけでなく、CDNやWebサーバー側でもキャッシュが利用されています。
CDNやWebサーバーに更新前のデータがキャッシュされていると、利用者がブラウザでキャッシュをクリアしても、古いデータが配信される場合があります。
解決するには?
このキャッシュは、ユーザー側では消すことができません。解決策は主に以下の2つです。
・時間が解決するのを待つ
CDNやWebサーバーのキャッシュは、設定された有効期限が過ぎると自動的に更新されるのが一般的です。
有効期限が設定されている場合、数時間から数日程度でキャッシュが消えて、新しいデータが配信されます。
・サイトの管理者に強制削除(パージ)してもらう
企業のサイトやサービスを開発・運営しているシステム管理者であれば、サーバー側のキャッシュを強制的に削除(Purge:パージと言います)することができます。
もしキャッシュが消えず、急ぎで更新を反映したくて困っている場合は、システム管理者に相談してみましょう。
まとめ
今回は、Webシステムにおけるキャッシュクリアについて解説しました。
キャッシュはWebページを快適に表示する便利な仕組みですが、Webサイトの更新が反映されなかったり、表示が崩れたりする原因になることがあります。
そんなときは、まずはスーパーリロードを試してみましょう。
それでも改善しない場合は、ブラウザのキャッシュを削除します。
ブラウザのキャッシュを削除しても問題が解決しない場合は、CDNやWebサーバーなど、ブラウザ以外の場所にあるキャッシュが原因かもしれません。時間を置くか、システム管理者に相談してみましょう。
キャッシュは決して邪魔なものではありません。仕組みや削除の手順を理解しておけば、「おかしいな?」と思ったときにも落ち着いて対処できるようになります。